日本語には、同じように見えて微妙に使い方が異なる言葉が多くあります。
その中でも「覚える」と「憶える」は、どちらも「記憶する」という意味がありそうに見えますが、実は使い分けがとても重要なんです。
私も最初は、この違いにちょっと戸惑ったことがありました。
でも、違いを理解して使い分けるコツを掴むと、表現の幅がぐっと広がりますよ。
今回は「覚える」と「憶える」の違いについて、実生活で使える具体的な例を交えながら解説しますね!
Contents
覚えるの意味は?
「覚える」という言葉は、日常的に非常によく使う言葉で、何か新しい知識や情報を記憶する時に使います。
「覚える」には、意識的にその情報を記憶にとどめようとする動作が含まれます。
例えば、勉強で新しい単語を覚える時や、スマホのパスコードを覚える時などです。
例:
- 「明日のテストのために英単語を覚えないと」
- 「最近、この曲を覚えたんだ!」
「覚える」は、意識的に何かを記憶しようとするときに使う言葉です。
また、例えば「覚える」の漢字にある「冖(べき)」の部分が示すように、情報を意識的に自分のものにするニュアンスがあります。
憶えるの意味は?
「憶える」の方は少しニュアンスが違います。
こちらは「覚える」に比べて、過去の記憶や出来事を思い出す際に使いますが、特に感情が伴う場合に使われることが多いです。
どちらかというと、「憶える」は感情的な意味合いが強く、過去の出来事や、心に残った記憶を思い起こすことを指します。
例えば、昔の友達や家族との温かい思い出を振り返る時に使います。
例:
- 「あの頃のことを憶えている?あんなに楽しかったのに」
- 「母と一緒に行った旅行を憶えてる。あの時の景色が今でも鮮明に思い出せる」
「憶える」の漢字に含まれている「心」や「昔」の要素が、感情的な記憶を呼び起こすニュアンスを表しています。
覚えると憶えるの違い
「覚える」と「憶える」の大きな違いは、記憶の性質にあります。
「覚える」は、新しい知識や情報を意識的に学んで記憶することに使います。
一方で「憶える」は、過去の出来事や感情を思い出す時に使います。
覚える:新しい知識や情報を意識的に記憶する
「覚える」の場合は、何かを学んだり、新しい情報を記憶するために反復して記憶を定着させるイメージです。
たとえば、試験前に教科書を読んで覚えるといったケースですね。
例:
- 「今日はたくさんの英単語を覚えた」
- 「電話番号を覚えたら、すぐにかけてみて」
「覚える」はあくまで意識的に記憶する場合に使います。
憶える:過去の出来事を感情や情景と共に思い出す
「憶える」の場合は、過去の記憶を感情と一緒に思い出す時に使います。
感情や情景がその記憶と一緒に浮かんでくるため、「懐かしい」「切ない」といった感情が伴うことが多いです。
例:
- 「初めて会った日のことを憶えてる?あの時は緊張してたな」
- 「子供のころ、母と一緒に公園に行ったことを憶えてる」
「憶える」は、感情的な記憶や過去の出来事に関連する場合に使います。
覚えると憶えるの使い方
「覚える」と「憶える」の違いが分かったところで、実際にどのように使い分けるかを見ていきましょう。
シチュエーションごとに使い分けることが大切です。
覚えるを使った例文
- 「この曲の歌詞を覚えたいから、何回も歌ってみよう」
- 「スマホの操作方法を覚えるのに時間がかかったけど、今ではすっかり慣れた」
- 「新しい仕事を始めるときは、最初に覚えるべきことがたくさんある」
「覚える」は、新しい知識や技術、情報を得るときに使います。
日常的な勉強や学習、作業に関連することに使いましょう。
憶えるを使った例文
- 「小さい頃のことを憶えていると、懐かしくなって泣きそうになる」
- 「初めて二人で出かけた日を憶えてる?あんなに楽しかったのに」
- 「あの時の約束を憶えてる?今でも忘れられない」
「憶える」は、過去の出来事や感情を思い出すときに使います。
思い出す内容には、感情的な重みがあることが多いですね。
覚えると憶えるの読み方
「覚える」と「憶える」は、どちらも「おぼえる」と読みます。
しかし、意味が異なるので、文脈によって使い分けが求められます。
どちらも同じ読み方ですが、その背景にある感情や記憶の深さに違いがあります。
覚えると憶えるの漢字の成り立ち
「覚える」の「覚」には、「冖(べき)」という部分が含まれており、これは頭で意識的に記憶することを表しています。
一方、「憶える」の「憶」には、「心」と「昔」が含まれており、これは過去の出来事や感情を思い出すことに関連しています。
この違いは、漢字に込められた意味からもよくわかりますね。
覚えると憶えるを上手に使い分けるコツ
実際に使い分けるためのコツは、記憶の性質を意識することです。
「覚える」は新しい知識や情報を意識的に学ぶとき、
「憶える」は感情や過去の出来事を思い出すときに使います。
これを意識することで、自然に使い分けができるようになります。
まとめ
「覚える」と「憶える」の違いを理解できたでしょうか?
この違いをしっかり押さえておくと、日常生活の中で使い分けがスムーズになります。
どちらも「記憶する」という意味ですが、その記憶の性質や伴う感情に違いがあるので、シチュエーションに応じて使い分けてみてくださいね。
もし迷ったときは、覚えたことは「覚える」、思い出すことは「憶える」と覚えておくと、簡単に判断できるはずです。
これからも、文章や会話の中で「覚える」と「憶える」の違いを意識して、豊かな日本語を使っていきましょう!